1989/改装
就職後に通っていた、池袋コミュニティカレッジのルリユール工房(栃折久美子さんが始めた工房)課題作品。
既成の本をばらして、糸綴じを手でやり直して、表紙をカスタマイズというのかオリジナルにする、というもの。
「ルリユール」というフランスの本の工芸の考え方に触れた。(顧客のために1冊のオリジナルな本に仕立てる、というふうに思った。)この後、大家利夫さんを紹介してもらうことになった。
表紙布は絹生地に手描き染め、タイトルは元装の表紙に色塗り。
素材とその扱いに興味があり、どうしたらオリジナルな効果がでるのかを試した。
絹布を伸子張りして水を打って、そこに布用の染める絵の具でにじませながら色をつけていく。で、表紙に使う時は塗ったのと逆を表にして使うと、滲みが自然。裏とか、ななめとか、逆とか、透けてる、とかいつも、どうするとあまり見たことのない感じになるか、を考える。
「改装」をする、ということ自体に、なにかこの本を作った人々に対してどうか、とか、自分はオリジナルを作ってないとか、引け目がある。
が、布の色付けにうまく効果が出て、気に入っているので、自分のウェブサイトにも載せてしまおう!というものです。