1998/製本の設計と制作
はじめて参加した製本コンクール(Macerata、Italia、1999年)の出品作。
製本コンクールは送られてくる折本(印刷して、折った状態の本。つまり製本以前)を自由に製本して送り返す、というもの。
私の表現の要点は下記の3つ。
1、革じゃない素材で強い材質感を出すために、ベニヤ板を鎌倉彫のように彫ってサテン生地を貼った。課題の本のタイトルは「無限」なのでそんなイメージで。内側には革とビーズ他を使用。
2、逆目の紙でできた本文を開きやすく壊れにくくするために、背の部分を工夫(本文と同じ厚みの別色の紙に縫い合わせてから平綴じ)。
3、2の結果、小口が膨らむカーブになったのでそれをカバーする表紙の形になった。
コンクールなのに逆目の紙、ありえない!って最初は思ったのですが、それはよくあることらしく、この後に参加したコンクールも逆目でした。あと参加しなかったコンクールですが、目が混ざってるなんてことも。ヨーロッパでは日本ほど紙目にこだわらないのかな?