山崎 曜 製本アーティスト

作品と展示

漂本箱2(黄色革)

1999ケースの設計と制作表紙の意匠と制作製本の設計と制作

弟子時代の1991年頃に作ったゲストブックに、2000年の初個展「飛ぶ本」用に箱状の額を付けたもの。

ゲストブックの中身はこちらと同じもので、師匠の会社のプレゼント品としてデザインさせてもらった枠のあるページ。製本は、フランスなどヨーロッパでの工芸製本の綴じ付けスタイル。黄色の子牛革に別色の革、小さなオパール、ラッカーで色をつけた糸を象嵌。箱は木製で塗装。プリーツ生地、化繊綿、木製の止め具を使用。

見習いの時、箔押しやモザイクといった工芸製本の伝統的装飾技法を習った。作例をみるだけでは自由自在な曲線のデザインと思えていたものが、実際にそれを実現するには、金型を彫るところからやらねばならなかったり、非常に制限が多いものであることを知り、私は愕然となった。そこで伝統的なものではない素材で表現することを試したのが、この連作。オートクチュールのデザインなどを随分参考にした。

箱の方は、壁に装着したまま開けられる。本を保持している三つの爪のうち、上のものは回転するようになっていて、本は出し入れできるようになっている。このしくみはかなり気に入っている。

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