1999/オブジェ作品内容の創作製本の設計と制作
96×142×26㎜
「本の中には世界が内蔵されている」という発想から、何か実物を内部に入れた表現を試した。
ページを正方形に切り抜き、中に折り紙(表紙の絹布を赤い和紙で裏打ちしたもの)の鳥を入れた。
ページをぱらぱらめくると銀色で印刷した雲が動くようになっている。
飛んで空の青に溶け込んでしまった青い鳥は、自分の持つ本の中にいる、というようなイメージの自作の短文や、雲のイラストもオフセット印刷やスクリーン印刷で刷った。
2000年の最初の個展「飛ぶ本」のために、25部を製作した。
表紙の芯材には版画用のシナベニア、背表紙の芯はヒノキ材、背タイトルは製本クロスに黒の箔押し、コナラの新芽の押葉。夫婦箱付き。
立体として美しく、内側に仕掛けがある、という意味での、オブジェな感じの本を作りたかった。