山崎 曜 製本アーティスト

作品と展示

花ぎれ練習用の本

2011製本の設計と制作
154×150×80㎜

花ぎれはヨーロッパの昔からの本や工芸製本に興味がある人にとって、あこがれの部位だ。現在の普通の本についている花ぎれは、貼り付けただけのものだが、昔ながらの作り方では、糸を巻きつけてゆく。これを「花ぎれを編む」という。なかなか難しい作業で、私は苦手なものの一つだった。それゆえに逆に説明が丁寧になっている傾向がある。
教室で、糸の通り方を見せる時、実際のサイズでは説明しにくいので、大サイズで練習することにし、大きな紙管に穴をあけたりして、教えていた。が、全く体裁が悪く、教室の生徒さんから「花ぎれというあこがれのパーツを作るっていう夢を壊す」と言われたことがあった。それで考え直して作ったのが、これ。
大好きな段ボールとチップボールの組み合わせで、せっかくだからと、ちゃんと本として開けるようにもした。そのため、小口のカーブのジグを作ったり、意外に作るのには手間がかかる。

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