製本倶楽部の展示が明日まで。で、私の並べている2点ですが、ともに「改装」です。そこにはさまざまな面白い問題があると思う。
そもそも、フランスの伝統工芸としてのルリユールは「改装」ではない。まあ、仮綴じなり未綴じなどの状態から、革装などにする、という意味では改装と言えなくもないけど、元のとじてない本は、革装などにすることを前提として売られている、と考えると、まあ「改装」ではないと言っていいだろう。(ややこしい。。。。)
一方、日本ではそういったルリユールのための未綴じや仮綴じの「元の本」はあまり存在しないので、フランスと同じかたちで本の工芸がなりたつことには無理がある。
そこで「改装」ということになる。私の2点のうちの1つは自著の「手で作る本」だが、こちらは文化出版局の好意で未綴じの形のものを作ってもらうことができた。これを手製本したわけだが、書店で普通に売っているかたちがあるのだから、やはりこれは「改装」だろう。もう1点の「詩乃情景」の本は版元が売っているものを正にばらして「改装」したものだ。
わたしの場合は「工芸作品」を存在させるために「改装」をしてるんではなくて、手作りすればもっと開きやすい本ができる、とか、版元が著者にプレゼントをするという依頼をうけたから作った、というのが理由。結果として見せるに足るものはできてると思うので「作品」として展示しているが・・・・
いつものとおり煮え切らない態度で〜す。が、「この本は何もので、どうしてここに存在してるのか」ということがあまりにも様々な「東京製本倶楽部展」はちょっと問題があるな〜と思います。いろんな本が並んでいて見るのは楽しいのだが。
コメントする