近頃の私は教室業ばかり。売るものを作っていない。
まあ、それでもいいのかな、と思いつつ。
作家の人や、職人の人、今の手作りの人たちはとても苦労していると思う。私は、苦労することがしたくないからか、売るものを作るのをさけている面がある。
工業的に高品質のものが安く大量にできるようになった20世紀以降、日常生活の中に「手で作ったもの」が必要とされなくなった。はっきり言ってそれは普通の意味では不要になった。不要なものを存在させるのに、いろいろな無理が必要。でも「無理」がきらいな自分はそれはやりたくない。というかやれない。
工業製品の品質管理に慣れた目には、よほどのクオリティでないと手作りの価値を認めない。というか、工業製品の当たり前なクオリティを超えた上での何かを求められる。それは究極的技量を生むかもしれないけど、なんかばかばかしい。
「本」もすみっこかもしれないけど、現代の工業製品のひとつ。工業で作りやすく設計されたものを手でまねしても、けっしてそれ以上のものにはならないな〜とつくづく思う。
まあ、教室業者のたわごと。
必要とされるものを作りたい。
いらないものはやっぱりいらない。
しあわせになれる物作りって何かな。
最初のほめことば
または、自作のものの感想が
「売っているものみたい」
という事はあります。
このテキストを本の形にしたい
という動機が、私の場合は多いのかも
それは、存在しないものだったり
存在しているものの一部だったり
(この短編小説が好き)
します
確かに。「売ってるものみたい」それ、あります。そのごく当たり前な反応の中に、深い問題が垣間見える。別にそこ局部的に追求しなくていいんですが。
完成度を上げる、品質を管理する、というのが、すごく正しい、社会だったと思うのです、これまで。(第二次大戦後、「安かろう悪かろう」と言われてしまった屈辱から抜け出して。)
「それが日本の生きる道」だったわけです。
「売ってるものみたい」という反応にはそれが現れてると思うのです。
ちょっと曲がってるけどそれが手作りの味、といわれるのは、もちろん癪です。しかし、癪と思う自分も、同じ社会の通念の中で育ってるなと感じます。
ともかく何か別の価値観が、欲しいな〜と思います。
自分が「製本」をやってる動機は?
本というものが、言葉をものすごく機能的に入れておける、魅力的な「道具」で、道具フェチと言われてしまう自分としては、その形や触り心地までを自分の美意識で心ゆくまで作り倒してみたいってことでしょうか。
しかし、「道具」としての役割はパソコンやネットに取って代わられたのでまさに不要化への一途をたどっていて・・・・
だから「本」を作るってことに関して言えば、クラシックカー愛好者みたいなもんですかね。まあ、気持ちとしてはその「手で作った」美意識には共鳴して、その要素をもらいたいけど、形自体はそれのレプリカとかじゃなく全くあたらしいものを作りたいですが。
なんとなく面白く読みました。
あんまり、手作りとか工業製品とかで考えちゃうとつらいですね・・。
人間が作ったものなんですがね。
手作りにもピンからキリまであるので、いろいろですね。
究極的技量の職人さんの作った手術用ハサミから、○○○○○まで(例え省略)。
どんな分野でも、美しく感じるモノがいいですね。
そして、自分の好きなモノなのか、人に好かれたいモノなのか、
なんでも悩みはつきないですね。
私は多分、悩むのが楽しいんですよ。きっと。
あれこれ、うまくいかないな〜って。
で、少しでも「おっ、いいかも」って思いつきがあるとうれしい。
(だから、言ってる割につらくはないんですよ。)
私も、とても興味深いと思いました。
ものを生み出す(作る)人間って、もしかしたら
「売ってるものみたい」の「・・・みたい」に反応してしまうのかも?
とも思いました。
私がパーティー料理を何種類も作っていたとき、ある高校生に
味見してもらったら「すご~い、売ってるのみたい。美味しい!」
と言われ「売ってるのより美味しいわい」と内心ムッとし(笑)
どこかで私の練習の音がもれてた時、立ち聴きしてた人が
「CD聴いてるみたいだわ~」と言ったのに対し
「一体どいつのCDみたいなんだよ?!誰のに似てるって?!」
と心の中は複雑(笑)。まぁ、これも「売ってるのみたい」と
言われたのと同じことですが。
相手は「売ることのできるクオリティーだ」と褒めてるのですが
評価されてる点が、こちらのこだわる価値などとズレてたりすると
ちっとも嬉しくないんですよね(笑)。
でも、その辺の感性研ぎ澄まされてる人が山崎さん作の
私の愛用の楽譜カバーを見ると
「それ、、、いいな、すごい、売ってないんでしょ??」
と、よく言いますよ。これは「そんな素敵なの売ってないでしょ。
勿論、特注でしょ。」という意味で。ここで「売ってるものみたい」
と言われたら、私はやはりコケて悔しがるでしょうね・・・(笑)。
koccomuさん
どうもありがとうございます。
うう。頼まれてるもの、明日、とりかかります。
今の自分、箔押しにビビってるんです。
でも、あれは箔押しでいかないと・・・・
(前の楽譜カバーも、実は冷や汗か脂汗かで作ってます・・・)
なんかこういうとき、子供の時に読んだ、イーリアスの、ヘクトルがアキレスと対決するところを思い出すのです。「そのとき、アポロン(だっけヘクトルの守護神は?)はあきらめて、ヘクトルのこころから恐れを吹き払ったので、ヘクトルは逃げる足をとめ、くびすを返してアキレスと向き合った。」みたいなとこ。
度々すみません。
自分が想像するに、
プロダクトデザイン好きな方々とかは、カタチとか作りとか、いろいろ気になるんだろうな、と思います。用の美とか。
なんかいいことが思いつくといいですね。
先生いろいろと大変なんですねぇ。
生徒としては、ごくごく内的なものを形に
しては「楽しい…」と思っているので…。
そんな場を与えてもらって、伸び伸び(しすぎ?)
させてもらえて感謝してます~!
先生の「悩むのが好きなんですよ…」という
お言葉…。フフフ読めてますよ…。
フランクさん
私も実は「プロダクトデザイン好き」に入るのかもしれないです。工業製品、嫌いだといいながら、やっぱり考えがうまく生かされて形になってると、感動しますから。
モジトルhさん
うう。いつもありがとうございます。
そして、いつも読まれてますね、私の常套手段というのか、手の内というのか・・を・・・