トウモロコシが、一代雑種の種をもっている会社に牛耳られている、という話は、畜産関係の仕事をしている弟から聞いて知っていました。一代雑種というのは品質が完全にコントロールできるものだということです。メンデルの法則、でしたっけ。
品質が揃っているということは、工業化できるための条件です。
このことからのおそるべき(資本主義的)展開が、この本には書かれていて、「はー、そういうことだったの」と普段消費者の立場でしか、たべることに関わっていない私は、驚きました。と、同時にそんなことすら知らない自分に愕然となりました。そして、この本を読んだって依然として「知らない」ということは変わらないに近い、とも思います。
由来来歴が消え去ったものをイメージ(付加された物語)で買い求め、何も知らないことに疑問を持たずにその物語を消費する。そういうことを日々してるんだな〜と思いました。
知っても、この本を読む程度の知り方ならば、すぐに忘却の彼方。
体感から来るものを大切に、と思うのは、「本当には知らない」ということを知ってるから。理屈、わかりやすい論理は、説得力を持ちますが、理屈のないあるいはまだ論理的に証明されていないことは、「そう」であっても説得力に欠ける。
この作者マイケルポーランさんの本、むろん下巻もすぐ読んでしまいました。面白かった。
下巻では、実際に自然農法(というのだろうか、できうるかぎり、自然の仕組みをうまくつかったやりかた)の農場で働いて、鶏を絞めて自分で調理する、とか、猟銃の免許をとってイノブタを狩り、食べてみる、ということをやって、食べるってどういうことだろう、と考えを深めてます。つながって同じ著者の「欲望の植物誌」も読んでみましたがこれも、自分で実験してみながら考えているのが面白かった。続けて、内澤旬子さんの「世界屠畜紀行」読んでいます。ものすごく面白いし、すごい本です。
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