この間依頼された修理(というか、再製本)は、昭和のはじめの聖書だった。どんな形にしてもいいよ、ともかく、壊れてひどい状態なので、使えるように、ということだった。
実際に持って来ていただくと垂れ革表紙というタイプの本だった。手にとってちゃんと見るのはほとんどはじめて。書き込みもいっぱい、使い込まれているようす。特徴的な製本なので、わざわざ別の形にするのではなく、できるだけ、元のイメージで製本することにした。
垂れ革(または折れ革、とも言うらしい)表紙は、聖書によく使われている造りらしく、検索すると、現在でも作られていて売られている。
早速、銀座の教文館に見にいったが、普通のハードカバー(やわらかめ)のチリを大きくしたぐらいのもので、今度のようないかにもそれらしい形ではないので、あまり参考にはならなかった。
現物があるのでじっくり観察して再製本することにした。(古本屋もまわって調べるべきなのだろうがなかなかいつも実行してない。。。。)
この本は見返しも革になっていて、表と裏の革の継ぎ目が最初見た時はわからないくらい丁寧に革加工してあった。
結局、元の通りに直すというより、より丈夫になるように修正して直すことにした。変えた主なところは下の2点。
●綴じをささえる綿のテープを表紙の方に付ける芯紙の方に付ける(元の本は中身の方についていた)
●背をかためていた、にかわをやめて、紙工用のボンドにし(より柔軟になる)背貼りの枚数をふやして動きを抑える。
というような感じ。背の動きは、本文の薄さとか柔らかさとか全体の重量とかで随分かわってくるので、どのくらいが最適なのか、いつもなやむ。今回もとりあえず、普通に背固めをしたら、かなり柔らかく動きすぎなので背ばりをふやして、動きを少なくした。
修理前の状態。
ここで終わっているのは
うまく行ったということなんでしょうね
タイトル悩みます
今私が抱えているのはロシア語辞典
路和なのかな
まったく改装OKと言われているが
では、タイトルは
凸版作って押すべきなのか
垂れ表紙
町田の版画美術館にも一冊ありました
ちょっと不思議な感じでしたが
確か、正楷書だったか、活版の活字で押しました。まあ、一応うまくいきました。凸版を作って押すとは、亜鉛凸版を作ってもらって自分で押すということですか?
ykomさんは押し機もってるんですか?
手製本の人はみんなそうやってちょこちょこと悩みながら仕事してるんだろうか。
私はタイトルの入れ方は状況で活字で手押しだったり、外注で押してもらったり、布の時はプリントゴッコで刷り入れたり、いろいろ。
定型的な仕上げ方があまりありません。