2011年10月20日|製本と教室|個別ページ| コメント(2)
今週は久々に取材があった。製本家やデザイナーの作品や考えを紹介しながら、それぞれに簡単な本の作り方も写真で工程を載せるというもの。
知り合いの製本をやる人たちも何人か取材されていて、デザイナーの方の本作りもいろいろ工夫がありそうで、楽しみな本になりそう。
私は、和装本の本も共著で出してるせいなのか、なんとなく和本風のものをということになり、寝かせていたネタとでもいうものを撮影してもらった。
かな書道用のうすい半紙にB5横書きの原稿用紙を挟んでとじるというもの。
(こういう時のネタは、どうしても、ノート的なものになる。和本(袋とじ)は本来「本」なのでノートに適さないのだが、極力ひろげやすいものをと考えてアレンジしてみた。)
来月もう一回取材があり、その時は、実際にワークショップをやってもらいながら撮影する。その時は折帖をやることにしている。
ワークショップなどで作業してもらうと、カッターの使い方や、寸法の測り方が難しいことがわかるので、そこがわかりやすい写真と説明ができれば、と編集の方と話した。実は「製本のネタ」自体よりもこういうことの方が今は興味があるので、うれしい。(昔に比べたら自分自身も随分簡単に作業できるようになった。その辺を紹介したい、というわけだ。紙定規を使ったり、木の棒を使ったり、寄せ盤を使ったり、ということだが。)
それから「手で作る本」の繁体中国語版(台湾、積木出版)が、月末に出る。ジャケットや奥付がPDFで送られてきた。タイトルは「書‧手作 山崎曜的製本書」。「書」はグーグルで日本語に翻訳すると「ブック」と出た。そういうニュアンスなのかな。奥付を見ると香港やクアラルンプルにも関係する発行所がある。繁体の中国語を使っているエリアなんだろう。
マレーシア(ボルネオ)に3年前にホームステイした時、ホスト(60代)が今の小学校は漢字を嫌いにさせるような教育をしてる、と嘆いていて、(多分、簡体を教えてる様子を)ラーメンの麺も顔面の面もみんな「面」だから笑っちゃう、みたいなことを言っていたのを思い出す。
海外で自分の著書が翻訳されるなんてことになるとはびっくり、で、うれしい。けれども著書ってもう自分から離れて、勝手に一人歩きしてる別物な感じもすごくする。いずれにせよ、売れるといいけど。
「手で作る本」は、アメリカでもみんな興味しんしんで、「図解でなんとなく分かるけど、英語版があればいいのに」と言ってます。出版社に持って行きたいって話も出たくらいですが、一般アメリカ人にあの細かい作業が理解できるのか(単位も道具も違いますし)というのが一番のネックだろうなと思ったりして……;
私はいつも、魔法使いを見るような目で見られます。
へー、そうですか。アメリカはクラフト天国、といっていたまつながさんの発言が印象に残ってます。製本道具や材料の、talasのホームページを見ても、すごく充実してますよね。
魔法使いを見るような! いいね〜。西尾彩さんが、イギリスでcrazyと言われてた、って聞いたのを思い出しました。精密だからね、みんな。