今度の本「手づくり製本の本」で基本技術のコツを説明したのだが、なかなか書き尽くせないし、意外に写真がはっきりしないところがあって、思っていたよりわかりにくいかもしれない。
同じ本に出てる赤井さんが、最近指を切った話を書かれていて、あらためて安全対策を書いた方がいいかな、とちょっと思った。
赤井さんのところに書き込ませてもらったのは以下のような感じ。
「安全対策大事です。私も自分の教室を始めた直後に大きく指を切ってしまい、いろいろの対策を考えました。特にボール紙をどう切るか、また、切ってもらうか、は課題でした。
切り込むにつれて、刃が嵌ってしまい動かすのに力が必要になるのがこまる、ので薄い刃がいい、という考えで、私はNTのPRO H-1を使うことにしました。これは0.25ミリの刃厚。(一般的なカッターは0.38、大型のものは0.45)
それでもずっと定規を押さえて切り続けるのはつら過ぎます。左手の力がもちません。
そこで、定規は切り込みを入れる時だけつかうことにしました。普通の紙を切る要領で2〜3回切り込み、そこで定規を外します。
あとは、フリーハンドで切るのです。カッターはしっかり握る持ち方に変えます。カッターの刃が垂直になってることを意識して、切ります。刃がすーっと、止まらないくらいまでしか力を入れないように。力を入れすぎるとすぐに刃がつっかえて止まります。止まるとまた動かすのにすごく力を入れなければなりません。しかも止まったところには刃先が嵌るくぼみができてしまってるので、またそこに嵌ってしまいがち。
左手は定規があった時と同じ場所を押さえるのではなく、向こう側を押さえます。カッターの動くのと逆の方を押さえるということ。カッターの向こうに左手があるので、左手を切るおそれがかなり少なくなります。(最初に刃を入れる時は仕方ないですが。)
これでかなり楽に切れます。慣れれば。
カッターの刃の厚さなどについては好みの別れるところだと思います。同じ上のような切り方でも0.45の刃厚の方がカッターが安定して切りやすいという方もいらっしゃるし、私もはじめは0.25にこだわってましたが、普通のカッター0.38で十分な気もしています。ただ、ストッパー無しのもの(刃を持ってひっぱると刃がでてきてしまうもの)はボール紙の場合は適しません。」
上記はボール紙のカットについて。
他に私の今のカッターの安全対策としては、
1、ステンレスの定規と同じ厚さのプラスチック板などをステンレス定規に接ぎ貼りして使うといもの。セロテープなどで両面から貼るのだが、こうすると押さえる面積を増やせるのでよい。
2、土手を貼る。使ってる定規のへりに10ミリ×10ミリなどの木の棒を貼る。
これを乗り越えて来る刃はそうそうない。
といいつつも、2、についてはカッターの刃のあて方が間違ってると全く有効ではないので注意が必要。間違った刃のあて方、とはどういうことか、というと、
ということ。
私が思ってるこの「基本」が、わかりづらいのではないかと思う。というのは厚みの厚い定規などを使ってカッターで切る、ということが普通なかなか無いから。(私に限って言えばよくあることなのだが。)
で、×の方の刃のあて方をすれば、上のように土手を付けてもかえって危険になってしまう。刃の上の方が、木の棒の上の方にひっかかって木を乗り越えてしまうから。
というわけで、説明むずかしい。(動画があるとまだいいのかも知れないが、やり方がよくわからなくて・・・)
本当に難しいです
昨年も自分自身、左手の親指を切ってしまった事もあり(これは老化か)この場合は、単にエアキャップ(プチプチクッション)を切っているだけの、逆に「ゆるい」気持ちだったのかも知れないですが。
そうなんですよね。私も普通のちゃんとした作業で切ってしまうことは少なくて、段ボールを捨てる時とか、作業台としてのスチレンボードを適当に切ってる時とか、そういう(精度じゃなくてスピードを要求される)わりとどうでもいいって作業の時が危ないです。
コメントありがとうございました。
私は黄ボール荒裁ちをしていて、やらかしました。
この図はいつも見ていて疑問だったのですが、
斜めに当てていると、断面も斜めになりませんか?
厚みのあるものを切った時に、斜めになるのではないかと。
その通りです。斜めになります。今日も早速教室で同じ疑問を問われました。
厚いものをこのままの状態で切っていけば、断面が斜めになります。
なので、軽く切り込みを入れたら、定規を外して、今度は垂直に切り込むようにします。
しかし、最初の定規をあてた時の切り込みが深く入ってしまうと、フリーハンドになってから垂直にしようとしても直しきれなくなります。なので、最初の切り込みはほんの浅くの方がいいです。
難しいですかね、やっぱり。最初の切り込みを浅く、と言っても、フリーハンドになった時点での切り込みがあんまり浅いと、刃が外れるんじゃないか、という気持ちになるので、どうしても最初の切り込みが深くなりがちなんです。
私としては、定規を押さえたまま、(例えば2ミリ厚の)ボール紙を最後まで切る、というのはつらすぎてあり得ないことなので、矛盾はないのですが。
でも、この辺のことは、実際に見てもらって理解してもらうしかない感じです。
なるほど。
あとは、指で押さえる場所がないくらい小さいボール紙だと、定規があったほうが安心に感じます。
結局、一つの切り方で押し通そうとせずに、大きいボール紙だとこうやって、小さいボール紙だとこうして、と細かく変えていくしかないですかね。
大きなボール紙の荒裁ちなら、多少斜めになっても構わないとも言える?
また教室で教えて下さい。
遅くなりましたが、ykomさんどうぞお大事に。