2012年11月 4日|ブログ|個別ページ| コメント(0)
数年持ちっぱなしになっていた製本を先週やっと納品した。
友人、阿部亮樹さんの著書「イラストクライミング」の改装。
(いろいろな検討ポイントがあって・・・・ってのはまあ言い訳。ともかく置き過ぎで、阿部君、申し訳ない。)革装でちょっと変わったことをと思って、インクジェットプリントを試してみたりしたのだが、今ひとつ。なんとなく失速してしまった。先月、ようやく(催促の電話で・・・。なんと去年、増補改訂版が出たそうで。すばらしい!)仕切り直して、箔押しというオーソドックスな技法でやることに。
革はもともとインクジェットのつもりもあって、白の豚スエード。それの吟面使い。(スエードは、皮の肉に面してる方、つまり肉面。こちらが製品としての表。毛が生えてる、動物の外側が吟面。)箔押し自体は、いつも機械押しをお願いしている業者のSさんに頼む。
やわらかくてゴムのようにへこみがもどってきてしまう革だった、という感想をいただく。つまり押しにくい、ということ。
阿部君のかっこいいイラストを細い線で、あとタイトルとを本金の箔押しで。
かなりいい感じになった。(いつも変な素材を上手に押していただき、本当にお世話になってます、Sさん。)
細かいことを付け加えると、製本して、と、渡してもらった本文は、無線の網代綴じをする前の、すでに背がミーリングされて半分以上削りとられてる状態。普通にのこぎりなどで目引き(のこぎりで切り込んで穴をあける)はできない。どうしようか、と考えたが、ある意味たくさん切り込み穴がある、っていうこと、と考え、たくさんの穴のうちのいくつかを使って普通に本かがりで綴じてみた。結果はよかった。網代の切り込みにボンドがしっかり入った上で、糸かがりの強さもあるわけだから。
作り慣れている夫婦箱をつけて、3冊完成。このタイトルはは、今年でサプライも製造中止になるプリントゴッコで入れた。気に入ってもらえたようでよかったです。
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