2012年12月13日|ブログ|個別ページ| コメント(0)
先週、先々週と、シンガポール人のアデリンへ4日間の製本レッスンをした。
彼女にも勉強になっただろうけど、私にとても有意義だった。
今回の4日間。教室の入門編としてるカリキュラムをやった。ふつうのレッスンでやると最短でも30時間、つまり3ヶ月のプログラム。
今回は一日7時間、計28時間ということでやったが、ちょうどいい時間だった。
普通レッスンは3人ずつやってるので、やはり一対一でやるより時間がかかる。
一対一でやると、拙い英語で説明してるのもあって、かなり丁寧に刷毛の使い方とかを説明していて、普段ここまで説明できてないな、という印象。
紙の目のこととか、刷毛と糊の使い方のこととか、可能なかぎり説明してみた。
例によって、自分が勉強になった。(ついでに、英語や中国語も教えてもらいつつ。。福建語の音が本当に日本語に近い、とか、そういうヒッポ的話題もしつつ。)
シンガポールからわざわざ、旅行で来て、レッスンを受ける、というのが、私が海外でも評価されてる感じがして、嬉しい。(「親ばか」っていうみたいに、「自分ばか」です。。。恥ずかしい。が、嬉しい。「自分ばか」は単なる「ばか」ですね。)
ところで、私のところの入門編カリキュラムは特殊だと思う。
いわゆるルリユール、つまりフランスの工芸的製本(ルネサンス以来、基本的に革装)を白紙で、しかも布装で作るというもの。中身がないので、洋本のお作法を知ることはできない。形だけ、技法だけ、である。それが善くも悪くも、私らしさを作ってしまっている。今回じっくりと説明しながらやってますますそれを感じた。
それをならったシンガポーリアンがどう展開していくのか。面白そうだ。まあ、彼女は勉強熱心で、世界のいろんな製本家に師事してみようと思っているようだから「これだけが正しい」などとは思わないだろうけど。
そして、シンガポールは、物作りには適してない環境だそうだ。
気候的にはものすごい湿気と暑さで、ヨーロッパから来た本はそのままだとぶわぶわになってカビだらけ。機械(断裁機とか)にかかる税金がすごく高い、など。
だから多分彼女は海外に出て、どこかでやろう、と思っているようだ。
オーストラリア、米国、カナダなどへの若者の移住が多いそうだ。(若者に対する結婚促進とか住宅についての政策が影響してるらしい。)
レッスンの後は4日間ともヒッポのファミリーへ、彼氏のルイスもいっしょに遊びに行った。これがまたすごく楽しかった。彼女はシングリッシュ(=シンガポールの英語。英語と中国語とマレー語とタミル語のミックス)、英語、中国語(北京語)を普段は使う。おじいさんやおばあさんが客家語や福建語の人なので、それらも少ししゃべれたり、理解はできたりする。多言語という環境にあるせいか、本当にすぐヒッポにとけ込んでいて、「外国語は真面目に文字から勉強すると本当に時間がかかるし、苦しくて、こうやって遊びながら耳と口からやるのがいい」って感想を言っていた。
来る前、メールでやりとりしてる時、ヒッポを紹介して誘っい、それに対して、4日ともヒッポ行くよ、と書いてきたのだけど、実際、本当に楽しそうに参加してくれたので、それもとても嬉しかった。
ルイスはカメラマンなので、ヒッポでの写真も撮ってくれた。とりあえず一枚。
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