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中村桂子先生の講演
2013年4月 2日|ブログ|個別ページ| コメント(0)
先週は、金土は5週目で自分の教室が休み。
その分、いろいろと別のことができた。
24日の日曜日は、
ヒッポの
オープントラカレ講座の2日目、酒井邦嘉先生と中村桂子先生。毎年この時期(つまり学生たちの春休み)に、ヒッポを応援してくださる、先生方の講座がある。
今回は中村先生の司会チームに入れてもらったので、事前に「
ゲノムが語る生命」を読んだり、子供達と一緒に舞台にあがって、感想をしゃべったりして楽しかった。関連して読んだ、「
生物学個人授業」(先生:岡田節人、生徒:南伸坊)がまた面白かった。ヒッポは「多言語を自然習得する体験をしながら、その仕組みを自然科学する」というのが柱なんだと思うけど、それだけじゃなくて、人間として生きてるからには、人間そのものを知りたい、というような、好奇心あふれる集団。科学や物理の先端のようすをそれぞれの先生から直接うかがうのは、わくわくする体験。しかも、私のような勉強してこなかった大人も子供達と同じ立場で聞けるのがありがたい。
新らしいトピックとして、オオヒメグモの発生の様子の話が面白かった。クモが、卵から孵って、体節が分かれていく時、身体の前部はクモ独自のやりかた、中部は節足動物と同じやり方、後部は脊索動物(=脊椎動物)と同じやり方、をしている、ということがわかったそうだ。(クモって昆虫のようなもの、って漠然と思っていたけどもっと不思議なポジションなんだな)
また、ヒトメタゲノムの話。人体に常在してる大腸菌とかバクテリアなどのもってるゲノムを合わせると、ヒトそのもののゲノムの何十倍もの量になる、という。ヒトの方が共生させてもらってる?ヒトは主役じゃない?みたいな感覚をいだく。
きっとこういうことを知ることで、自分は何もかわらないつもりの普段を生活しているのだが、例えば地動説を知った時代の人のように、世界の見方が変わるな、と思う。いままでこうだと思っていたことがひっくり返るのが痛快。
すべての物質は、原子っていう同じものからできている、というのも驚くけど、今生きてるすべての命は38億年前に生まれた命からつながっていて、しかもその細胞の変化したものでこれだけのバリエーションができてるっていうのが、驚く。それを実験や観察などで味わっている分子生物学者の人達の驚きとか感動は、よりリアルだろうな、と思う。
しかし講義のことをみんなにしゃべろうとしたら、DNAとかゲノムとか遺伝子の言葉の意味すら曖昧な理解で、、、、。数年前に3年くらいかかって一応輪読了した「
DNAの冒険」をぺらぺら見る。以下4行、Ⅰ-17ページから引用。
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DNA:デオキシリボ核酸という"物質の名前"
染色体:DNAが核の中で格納されている時の形
遺伝子:DNAの並びの中で、実際に働いている(タンパク質を作る)部分
ゲノム:それぞれの生き物が持っている"遺伝情報の総体"
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って説明でした。(ゲノムってやっぱりわかりにくい、っていうかDNAの仕組みがわかってないとそれだけでは意味がわからない、ってことですね。)
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