2013年12月 8日|ブログ|個別ページ| コメント(0)
会場を撮ってもらった写真をアップしてみました。
「かげびょうし」たちです。楽譜を挟むポートフォリオから始まったものですが、インテリアに飾るものでもあるような。ランプシェードとか、屏風とかにもなるんじゃないか?などいろいろな感想や意見をいただいてます。
自分では、「なんだかわからないもの感」が気に入ってる。熱心に作って、きれいだけど、用途がわからなくて、無意味極まりない、みたいな。「だから、どうした」感のあるもの。それって「アート」のこと?
いや、まあ、「かざり」ですね。「かげびょうし」は。広げていろんなふうに置いて、飾るもの。で、畳んで、箱に入れて、しまうもの。
まあ、もちろん、楽譜を挟んでもよいのでしょうけれど。
構造は単純。裏表別の色に塗装したアルミパンチングボードの両面に、別の図柄に切り抜いた革を貼っています。表側は具象的な模様をメスで手切りしています。裏側は、四角、丸、スリットのような幾何学的模様をレーザーカッターで切ってます。表と裏の模様の組み合わせが、思わぬ見え方を作りだして、楽しいです。
手製本で装飾をすると、立体的な装飾ということを考えさせられます。ルネッサンスの金箔押しが始まった頃の本でも、組紐みたいな模様を交差させて、重層して見える様にデザインされている(グロリエの本など)。20世紀のものなんかは本当に立体になって、表紙が切り抜かれてるもの(ポールボネのものなど)なんかも。そういうのから影響されて「かげびょうし」はできてますね。それに加えて、山で紅葉を見た時の、ちらちらする感じ。葉っぱの間から後ろの葉っぱが見えたり、そのまた向こうは、暗くて影になっているのが、自分が移動しながらみていると、ちらちらちらちらモアレのように見えて、それが色をものすごく深くみせてること。しみる、感じがする。目にしみる感じ。これは絵でも写真でも映像でも、うつしとることができないものだと思う。彫刻のようなのではない立体感に、視覚的立体感とでもいうものに、ぐっと引きつけられる。そういう「目の楽しみ」をかげびょうしで少し作りだすことができてるかな、という面もある。自分の視点が動くことで、見え方が動いて、色の感じの刺激が強まる、というような。
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