トークについては、事前に同時通訳の準備のためにパワーポイントで内容を送ってくれといわれ、 時系列で自作を並べるだけになってしまった。準備も不足で、広東語の通訳にどのくらいの時間をとられるのか、と不安になり、 本番で随分端折ってしゃべってしまった。 もっと自分の変遷を言葉で説明する原稿にすべきだった。 結果、寝てしまってる人がいたし、質問がでなくて、だめだった。(今、自分のことを解説をすることが大事だと思っている。それがまだまとまらないのだ。)
展示について。 現場に行かないと状況がわからず。それはまあ対応できた。しかし、あまりに説明プレート(キャプション的なもの)がなさすぎ。(上の写真は搬入終了直後のものだが、オープン後もこれにプレートが一枚ついただけだった。) 他の作家の展示も同様。 初日は、ずっと作品を開いて説明しながら見せた。これは好評だったが、私不在の時は作品を触らないようにしてもらったので、キャプションなしでは まったく作品のことはわからない(開いた状況の写真は置いたが)。これは他の現代美術的作品群も同じだ。作家本人と話してみると「ふうんそういうことを考えて作ってるんだ」とわかって 作品が面白くなる。しかし作家がいなかったらまるでわからないかもしれない。「本」は一人で開いて見るものだから普通に考えると展示には向かない。いわゆる現代美術もそのままだと「わからない」。解説や説明があればわかった気にはなるが「芸」がない感じがする。 このあたりのことを考慮に入れて作品の中に解説を取り込んだり、いろいろアイデアを出せばもっと面白くできるかな、と思った。(私は現代美術をよく知らないのでこう思うのだろう)
とてもうまく行ったのがワークショップだ。
20人、2時間の枠では、名刺サイズの夫婦箱を作った。 段ボールの斜め使いがミソとなっている自分としては画期的なもの。前から思いついてはいたもので、今回勇んでこれをやってみようと思って、教室でも見せたりしていると、 生徒のみなさんから、2時間では終わらないんじゃないかという意見があり、にわかに不安になったところ、実験台になってくれるという生徒さんが現れ、試す。 確かにまるまる2時間半、しかも一対一の状態でかかってしまった。いくつかの改善点を見つけ出し、なかでも図面そのものを製本クロスの裏にコピーしてしまうという アイデアがよかった。渡航前夜も、試してくださるという生徒さんがいらっしゃって、1時間で完成した。これにカードメモを加えて1時間半で余裕で終わった。 本番、ばっちり2時間で終わた。
一方、3人、7時間の方の枠。自分の教室で最近はじめたばかりの、「基本技術トレーニング」と「簡単モザイク」をやった。モザイクの方は「あとは自分で完成させてください」というタイプのものなので、20人のワークショップと違い、時間はそれほど気にせず、リラックスして取り組めた。 モザイクのテクニック自体は少し難しいので「頑張って練習する!」って参加者は言ってました。
あとは広東語のこと。 ヒッポファミリークラブに入っているので、せっかく香港に行くのだからと、ここ数ヶ月毎日繰り返し、広東語のストーリーCDを重点的に聞いて、真似しながら過ごしていた。 食事の時や、ワークショップの時、広東語の中にただよう感じで、音としてはまったく親しいものとなっていた広東語の音が心地よかった。鼻から抜けていくような、ちょっとのんびりした南っぽい感じがある音。 実際に彼らの出してる音も真似してみるが、その真似が本当に地元っぽい時があるようで、とっても受けた。これはかなり嬉しくてどんどん真似して、んごいさーい、とか どじぇさーい、んさはーへー、おさーれーやー、とか言いまくっていた。ヒッポに入って11年。広東語の赤ちゃんになった気分で、はじめてヒッポっぽい体験ができたような気がしてとても嬉しかった。
コメントする