7月27日からは初めてのカリフォルニアへ。デンバーで乗り継いで、サンノゼ着。そこには下記のJodyさんとJonesさんが迎えに来てくださって、車で約1時間のサンタクルーズへ。
ここではJody Alexanderさん宅にステイさせていただきました。
28日はUCSC(カリフォルニア州立大学サンタクルーズ校)にJodyさんに連れていってもらい、彼女も教えていたことのある、美術棟群を通って、McHenry図書館を訪れました。 ちょうど50周年の記念展示中で、中沢尚子さんが事前にお話をしてくださっていて、SCA(Special Collections & Archives) HeadのElisabeth Remak-Honnefさんにご案内いただくことができました。 それから半地下的になっている中沢尚子さんの修復室を訪ねました。重い扉の奥にまた扉、そこに広々と装備のそろった工房が。
向かう途中の図書館の開架のスペースはまだ本がびっしり。しかしその本を使う学生は今ほとんど居ず、閲覧スペースで自分のタブレットやパソコンを使うだけだそうです。そのため、食べ物の持ち込みも自由。過渡期の様相です。和本のサンプルや最近修復した本(ロシアから出版された英語の日露戦争写真集などもあり)を見せていただいたあと昼食を中沢さんのご自宅でいただきました。
尚子さんのご主人の隆さんと、Jodyさん、Jodyさんのパートナーの 写真家のr.r.Jonesさんも加わってお昼。隆さんも尚子さんも1960年代半ばから彫刻を学びにニューヨークに留学し、めぐりあったそうです。彼らの家もアーティストの住居兼スタジオの建物群の一つです。
隆さんの話がとても面白かった。日本の教育だととても「枠」や「規則」を丁寧に教えるけど「なぜそうなるのか」という問いは封じ込められがち。なぜこうなるんだ?という素朴な問いを持つ人には日本の教育スタイルは苦しいものです。
カリフォルニアはアメリカの中でも特に「なんでもあり」+「遊び好き」が徹底しているそうで、そこが隆さんにしっくり来るようでした。(マウンテンバイクやスケートボードはここで生まれ、自転車の大きいメーカーが3社もあり、毎年のように奇妙な新型の自転車が発表されるとか)
尚子さんはマルセル・デュシャンのBox in a Valiseという箱の作品を修復する仕事を受けたことで修復の技術を身につけたとのこと。
写真を見せていただき、デュシャンが気になる私には、大感動でした。
その後、Jodyさんのアトリエで集って、 私は持って行った作品(カバンの形に改装した辞書、楽譜挟み、薄い和紙の本、中に折り紙の鳥をしまった本、中に引き出しを設けた本で引き出しの中には山茶花の実など)を見せました。
アトリエは昔製革工場だったところを改装してアーティストのスタジオにしたり、住宅にしたりしたものでたくさんの部屋があります。(サンタクルーズはこのような施設が多いので、アーティスト密度が特に高いとのことです。)
持って行った本を並べてます。
私の本を見せるこの集いにも、近所の部屋の20人から30人のアーティスト達が入れ替わり立ち代り来て、廊下に準備した食べ物や飲み物を取りながら楽しく話しています。
これは、東京に旅行した時に東京製本倶楽部で藤井敬子さんが企画してJodyさんの画像を見ながら話を聞き、みんなが作品を持ち寄って見たのを真似てみた、って言っていました。英語ではギャザリングって言っていました。
あとでJodyさんからウェブで作品を見せてもらったVictoria Mayさん (この時は名刺を交換しただけでしたが) の作品が印象に残りました。素材の組み合わせが本当にすごいです。
(明日に続く。。。)
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