今、二つほどリフォームの注文を受けて、それをやっている。本は大量生産物だが、ある本は、とても個人と親しくなるときがあって、それは生まれたときは量産で同じ顔をしているが、個性を持ち始める感じがある。
そういうののリフォーム的な仕事を引き受けて、別の体、顔を与えるのは結構楽しい。
2013年(14年)15年と個展をやった。できないと思っていた製本の作家をひねった形(つまり楽譜挟みとかノート挟みとか)でなんとか実現したものだった。それで嬉しくなったのか、すっかり作家気どり(いったい「何」作家なんだろう?)。個展のときに、改装の注文を頼まれたのだが、「今更なぜ私が?」な〜んてことを思ったのだった。
今、個展後半年たって、個展時の追加注文のものをようやく形にしつつ、来年の個展の策を練りつつ、上記の注文もやっている。
ブリコラージュ的なものもすごく作りたいけど、改装(リフォーム)も楽しいな、と素直に思えるようになってる。
第一、改装してほしい、って言ってくれる人が居るというのがなにより嬉しいし、それに応えたい。
東京製本倶楽部という団体のメンバーなのだが、自分の自我か何かが邪魔をして、どうもみんなと一緒に展示をやるのがいや。というよりも、「倶楽部展のために」作品作りをする、というのができない。いや、個展ですらも引き受けたはいいけど何を作ったらいいのかわからなかったのだから仕方ない。ほんと面倒くさい性格だと思う。
だけど、先日いいことを思いついた。誰か依頼してくれる人を探せばいいのだ、と。この展示用に作品を作りたいのですが展示も込みで、依頼してくれませんか、と頼む。そうやって作品を作れば、依頼主も一緒に展示用に作品を作っている気持ちになれるんじゃない?今日、生徒さんの一人にしゃべっていたら、「オーダーいただいた服、いい感じなので、パリコレのショウに出てもらえませんか、みたいなことですよね。それ、いいんじゃないですか!」って反応だった。
今やってるのはこんな感じ。さてどうできあがるかな。
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