2016年10月29日|ブログ|個別ページ| コメント(2)
尾道へ行った。
尾道市立大学に、デザインコースの高岡陽さんが呼んでくれた。彼とは芸大つながり。
ここ数年そういうことが増えていて、来週は秋田公立美術大学に、12月は文星芸術大学に行く。ありがたいことである。美術系の世界で、手製本という特殊なことをやっているせいなのだが、紙の本に興味をもつ学生が明らかに増えてきているのだ。(もちろんマイノリティであることには変わらないが。)
尾道は今回が初授業。大学院生3人のための授業ということで、贅沢というか、これはこの大学ならではだろう。がりがりと都市圏を目指すのではなく、あるいは親御さんの希望とか、いろいろな要素が相まって、アナログ志向の学生が多いとのこと。院生の一人は、アダナプレス(写真左奥にかすかに写ってる)を入手し学校に持ち込んでいて、活字を組んで刷り物を作ったり、レーザーカッターでアクリルを彫刻して「樹脂凸版」としてお薬袋みたいなパッケージを刷っていた。その中には一枚もののzinとでもいうべき刷り物が。(ナンバーをみるとすでに70号に迫っている。マニアだ。)
実際の実習は、二日にまたがって、学部生も部分的に飛び入りして5〜6人でやった。夕飯も一緒に食べにいったりして、各人の個性もなんとなく感じて、このくらいの人数だと、いい感じにできる。
5限、計450分、ちょっと延びちゃった分も入れて、約8時間のレッスン。下の3点を作った。
写真上の折帖(蛇腹折、近頃ではこの形を見せると御朱印帳と言われることが多い。)作りで、紙定規やその他の定規の使い方とカッターの使い方を。人数が手頃なので、失敗もちゃんとやって、じっくりとやる。
(オンラインの友人の名言「失敗しない 君の人生 それ失敗」。製本も失敗しないと、その時はいいけど、残るものが少なかったりする。)
そして右下の一折中とじの布装ハードカバー。
半紙を半分に切って、四つ折りしてポケットにしたページの和装本。
「市」立、だけあって、行政からの仕事を、院生たちはやったり、地元とのコラボも多いようだ。大都市圏とは違った営みがある感じ。
尾道の駅に近い、元温泉銭湯をリノベートしたところに宿泊した。そこから、学校まで6キロくらいなので、二日目は例によって走って行くことにした。午後からの授業なのでこの日の午前は、西國寺、大山寺を経て、千光寺を回ってから学校、というつもりだった。
西國寺は門におおきな草鞋があって、走るの好きな自分にはなんか縁がある感じで嬉しい。
三重塔への階段は崩れているらしく入れない。脇から寺をでて次の寺へ向かおうとすると山の方に向かって、なんとか巡りという少しだけ古びた表示が目に入り、行ってみることに。登っていくと、山道沿いに六十数体の新しい石仏があった。石仏が尽きても明瞭な道が続いているので、どんどん行ってみると石のむき出しになった山頂に着く。さらに道があるようなので(山によくある道迷い防止の赤テープもついてるし)どんどん行ってみる。
大きな古びた多分コンクリ製の貯水槽らしきもの(山の中で急にこういうのがあるとちょっと怖い感じ。。)があるところに「千光寺山山頂」の札が。明らかにロープウェイがついているお寺とは別の山なのだが、千光寺の名前が書いて有る。
どこに降りるのかな、と楽しみに、さらにどんどん進んで人家がすぐそこに近づいたところまで降りてきたとこで道がわからなくなった。しょうがないから棘のある草なんかも少しある藪から無理やり家の軒先に出て(黒いズボンにジョロウグモの黄色いクモの糸がからまって、完全に不審者。。)、なんとか道に出た。グーグルマップがあるからなんとかなるでしょう、という感覚がある。(ちょっと前だったら、地図とコンパス持ってなかったら、わかんないところには入っていかないな。)そこから分かりやすそうな、高速道路のバイパスを目安にすすんで、無事学校に着く。
以前、初めての大学に、駅からグーグルマップ頼りで走って行って、別の大学の山に迷い込んで、30分くらい遅刻してしまったことがあった。大学は鉄道駅とか市街地から適度に離れたところにあるからこういう楽しみがある。それのためにわざわざ1〜2本早い新幹線に乗ったりするのだ。(多分、マラソンをやってる人達もそうなんだろうな。)
ダム池の向こうに見えているのが大学。まだ時間に余裕があったので、この池の周りを回ってから学校へ行ったのだが、その途中で、イシガケチョウをはじめて見た。残念ながら写真には撮れなかったが。
おまけ写真↓
崩壊止めされた斜面に直径20センチくらいありそうな巨大キノコが。なんて種類なんだろう?(学バスなんかに乗っちゃうとこういう発見はないし、バス待ったり、バスの中でじっと座ってたりが退屈で、人の近くにいると気を使う。なんと言っても走ってる状態が大好きなので、何か都合がなければ走る。)
追記:
はじめての尾道授業で、家族も同行したいっていうので、実は直島と豊島もまわってから尾道入りした。瀬戸内トリエンナーレは3回目とのことで、直島の地中美術館のモネの睡蓮の部屋と、内藤礼さんの豊島美術館は素敵なスペースだった。
先日はありがとうございました。
今度はゆっくり遊びに来てください!!
ありがとうございます。が、急ぎすぎでしたね。(直島や豊島に行ったりして。)「ゆっくり」は大事です。東京ペース、反省。