8日は、再び、松永さんも合流して、鈴木さんの車で、吉野の福西和紙本舗、植和紙工房へ。
宇陀紙はここ、吉野が産地だったのだな、と知った。
本当にいい天気で、暑かった。
掛け軸を習ったとき、総裏という仕上げの裏打ちに使う紙で、収縮が少なくなるように?白い土が入っている。
この土をうまく入れるためには、ネリがトロロアオイではだめで、ノリウツギを使うのがここでの紙漉きの特徴とのこと。ちょうどそれを水でのばすところを見せてもらう。 そこはかとなくいい香り。
奥様に工程を説明していただくが、
まっすぐで雑物の少ない繊維を得るために、暑い時期に脇芽を摘むとか、
さらにその後での雑物の取り除きとか、
ひっくり返したり切り込んだりしないで靭皮繊維(?この言葉があってるのか自信がない)を外すとか、
自然の理のもとに手を掛ける、ということが、大変ではあるがごくあたりまえのこととして話される。
国宝級のものを直すなどに使われる信頼度は、そういうところから来ているのだなぁ、と感じた。
書かれる紙としてもたくさん作っているので、書道でいう半切のサイズが基本となっているようだ。
草木染めの、なんというか、欲しくなる色のものがいろいろあって、買う。よもぎの鮮やかな緑は、まるでアオシャク類(私の好きな蛾)の色、アケビの灰色がまたいい、など、ともかく目と手と頭がその魅力に痺れる。。。。
おにぎりもご馳走になってしまった。すごく美味しかった。ここのお米、ここの水。
植さんのところも、この暑い盛りの時間に、息子さんは楮畑の芽かき(というのか呼び方があってるかわからない)に行っているとのこと。こちらの工房でも、部屋の中に、紙がたくさん。
層状に積まれていて、なんというか、宝物感がすごい。
ひたすら歓迎してくれ、手漉きのはがきを一人二束もいただいてしまう。お話を聞かせていただくも、松永さんと神戸さんはその日の内に帰宅しなければならないこともあり、ほんの短い時間。
バス停まで案内してもらう。バス停の前が、間伐のヒノキで作る割り箸やさんで、そこのおじさんにも「せっかく遠くから来たんだから、なんかお土産」とやまのような割り箸をいただいてしまう。植さんの心を開いて迎え入れてくれてる笑顔や言葉に、後ろ髪をひかれる思い。
だのに、あっという間に植さんの工房を後にして、津の鈴木敬子さん宅に向かった。
(あまりにスピーディーなわれわれ。。。と今書いていて「あわれ」という音を感じてしまった。)
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