鈴木敬子さんのご自宅アトリエもすっきりとして素敵な環境。写真を撮り損ねて残念。
私の教室の初期(前世紀末!)から来ていただいていている方で、
2005年には一緒にフランスに本の装飾の講習を受けに行った。彼女はとてもアクティヴで、その時も尻の重い私を連れ出してくれた、という感じ。今回も海外から帰宅したばかりのところをお願いして一泊させていただいた。前日、福西さん、植さんへご案内いただいたのも、敬子さんのお知り合いだからで、幼少期から書道をなさってきたことから紙、特に和紙への興味がとても強く深いのだ。
敬子さんの生徒さんたちが素敵な創作中華のお店でウェルカムお食事会に招いてくれる。感謝感激だ。
翌日の9日は、伊勢へ連れていってもらう。伊勢和紙の大豊和紙の伊勢和紙会館で写真印刷用のプリンタなどを見せてもらったあと、伊勢詣りへ。
擬革紙という昔のプロダクトを復活させている堀木さんにもお目にかかり、同じく揉み紙して作る、縮緬本も見せていただく。揉んでいない縮緬本も見せていただき、揉まないで流通させてたのもあるんだ、と初めて知った。そこから和紙にコピーして作った縮緬本もぐんにゃりとした特有の触り心地は、実物とよく似ていて、さすが。擬革紙というのも面白かった。神様は革をこのまない(つまり動物の殺傷を、っていうこと?)で、煙草入れをこの擬革紙で作ったのがお土産で有名だったようだ。
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強い日射でぼぉっとなる。おかげ横丁は、観光客でごったがえしている。
のだが、電柱の無いこの写真には、妙な非日常感がある。手こねずしをご馳走になり、美味しかった。伝統の品々を見る中で市木木綿や伊勢木綿もそれぞれに、惹かれる縞だった。気温としては35度くらいだと思うが、ともかく暑くて頭がぼーっとなって、お伊勢さん詣りは果たせず、津まで送っていただき、再び名古屋へ向かう。(敬子さん、暑い中を本当にありがとう!)
名古屋駅にとても近いhostelに荷物を置き、思いついて、ヴィレッジヴァンガードの本店へ。
最近、ドラマ好きの妻子が
ヴィレヴァンのドラマを見てたのを思い出し、そういえば本店はここか、と。
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本屋は本当に行かないようになっちゃったけど、行ったらやっぱり読んでしまう。
えぐい感じ(戦争とか、死とか、セックスとか、そういったサブカル的)の品揃えで刺激を受ける。
胸が苦しくなる。エミリーは雑貨でかわいいものを見つけて喜んでる。
翌日10日は、桑名市の多度に転居新装開業する、
えにし治療院へ。名古屋から電車で40分くらい。
今回の旅に出る直前に、プレオープンで個人治療相談をするとのメールをもらい、ご縁有りと思い、2年ぶりくらいに中村考宏先生にお目にかかった。
50年以上前のお寿司屋さん(だったかな?)という建物で、タイルや作りが懐かしい。治療室は綺麗に出来上がってるが、屋根などにまだ手を入れている最中らしくプレオープンなのだそうだ。
先生のお話は以前より細かい部分が確認しやすくなっていた。
また、これまでセミナー参加のみで、施術をしていただいたのは今回が初めてだったので、こんな感じで体をほぐすのか、ということが実感できたのがなんといっても良かった。
ずっと痛みのある足の問題がどういうことなのかが明快になってよかった。
しばらくは大好きなビーサンやワラーチや地下足袋をやめることにした。おすすめされたのはスリッパ的な履物を脱げないようにかかとが離れないように履くことと、高機能な現代のランニングシューズ。悔しいけど、自分の体の現状を理解して、一歩一歩改善をして、実力をつけていくしかない。
はやく、地下足袋やビーサンがふさわしいしっかりした足になりたいものだ。
ここで楽しく話しながら施術してもらったり動いたりしている中で、エミリーはお医者さん(中国医学。西洋医学と両方の方も。そしてお母さんは経絡のつぼを押して治療をする人。。。)一家に育ったっていうことがわかった。
そんなお家の子がどうしてプロダクトデザインを学んだあげく手製本を志望することになったのか、興味深い。学者一家の自分とちょっと共通点を感じなくもない。
先生の娘さんも帰宅して、いっしょに流し素麺をごちそうになる。
治療院は多度駅から歩いて2〜3分。駅から見た多度山。えにし先生はここをトレーニングの場にしてもいる。
何か、夏休みを感じる光景だね。
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そして名古屋にもどり、名古屋市美術館で少しだけ、あいちトリエンナーレを覗き(『表現の不自由展その後』のところではないところを見てしまったのが残念。もらったパンフレットで県の芸術センターにそれがあると知った。無意識にだけど、自分はそこを避けて通ったのかも。そのことは確実に息苦しい)、紙の温度で紙を買い、熱田神宮にお参りして、帰途につく。
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表現の不自由展その後、香港住民への支配を強める中国政府にあらがう香港の人のこと、そして原発の廃炉や汚染されてしまった地域の問題。それらは確実に自分を息苦しくさせる。
自分のせいではないのだが、自分を制限してしまう何かに挑むべきなのだが。
相変わらず、身も心も、ブレーキをかけながらアクセルを踏む、という状態らしい。
ブレーキをはずせばいいのだが、まずはそのためのほぐし。
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