冒頭の写真:
都立工芸高校で、週一回、手工製本を教え始めたのは、コロナと同時の2020年から。
今週は、|折帖《おりじょう》(蛇腹折りの本)の、表紙を作りました。
2ミリ厚のボール紙を中身より少しだけ大きく切って、4辺に15ミリの折り返しのある紙に全面糊を塗って、くるむ、というだけのこと。
取り都合で、ボール紙とくるむ紙の目を逆にしたら、
紙の性質に思いを馳せてしまい、
ボール紙はどこの新聞紙の古紙から?
表の紙はどこの木のパルプから?
とか、
糊の元のコーンスターチはどこのトウモロコシ?
とか原料のことを思い、
原料は植物が多い。
もとの細胞の性質はどこまで残ってるのかな?
セルロースは細胞壁を作っていたよね、
デンプンって生体内ではどうしてるんだっけ、
などなど思いました。
以下は、zoomで週5日やっている本読みの、レヴュー(書き出し)です。
noteに書いています。
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5月25日(水)は以下を読みました。
リチャード・ドーキンス 著
福岡伸一 訳
早川書房
第2章 客間にさまよいいった場違いな人間
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科学には、こんなに「詩の元」があるというのに、
それが詩人たちに伝わらないもどかしさ。
科学者たちに囲まれた詩人の感じるこころぼそさと、
詩人たちの中に科学者がいるときに感じる場違いな感じは、
同じことの裏返し。
著者は、ウィリアム・ブレイクの自然への畏敬(ここは科学と同じ!)
に対しての心の向く方向をとても残念がっていました。
それを読みながら、
山崎は、
日本では、
それ(科学と宗教が対抗関係にある)はあまりないんじゃないかなと、
前に読んでいただいた、中村桂子先生の本の、まどみちお、宮沢賢治、を思い出していました。
(音読した人:山崎)
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福沢諭吉 著
岩波文庫
十一編 名分をもって偽君子を生ずるの論
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赤穂藩の義士四十七名の話から、
義に感じて行動する人の割合を算出して、
明治の今に7掛けして当てはめていました。
これをパーセントに直してみましたが、
そうすると人口に対して0.04%程度。
現在の1400万の都民のうち、義に感じて行動する人は、5600人と算出できました。
(音読した人:めいさん)
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伊藤 亜紗 著、光文社
第3章 運動 見えない人のからだのつかい方
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合気道の話になり、「気」の話もでてきました。
たしかに、触れているだけで、相手のことがわかってしまうのは、不思議です。
パラリンピックの選手の義肢は、それが自分の足であるかのように感じないとうまく使いこなせないそうです。
事故などで失われた肢を、あると感じる、幻肢という現象もあります。
山崎が製本作業でヘラなど使うとき、その先がどのような作業をしてるのかをあたりまえのように感じます。ヘラのさきまでがある種「指」のように感じている、ということです。
見えない人の感覚の話は、気づいてないものを見せてくれる力がありますね。
(音読した人:こいでさん)
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湯川秀樹 著
岩波新書
「東西遊記」
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越後の葡萄峠で滑落したり、なかなかハードな旅もありました。
また、エレキテルを自作して試して、竜巻のような現象を起こしている一節もあり、すごいな、と思いました。
湯川さんの、橘南谿への強い共感が溢れていました。
検索すると、
京都で死刑囚の人体解剖などもして、
一人を解剖することで多くの人が救われることになる、というような言葉も残しているみたいです(検索先がちょっとわからなくなりました、すみません)。すごいお医者さん。
(音読した人:きよもとさん)
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岩波文庫、松尾芭蕉
三二 有難や(曾良俳諧書留)108〜110ページ
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長い補注で、
『奥の細道』のたいへんだった月山への登山のところがありました。
このページには他にも補注が二つもあって、
物語など故事を踏まえて詠む連句のやりかたがよく感じられましたし、とたんにわかりやすくなります。
(音読した人:山崎)
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