この秋の、ある大学の製本実習の全道具(材料でなく、道具だけ)。
こうして並べると、種類が多いのか少ないのか、もはやわからなくなる。
これまでかなりちゃらんぽらんに、大学の集中実習などをやってきた(と言わざるを得ない。。。)
というのも、刷毛やヘラもあるものでいいよ、なければスプーンでも使えるよ、という姿勢でした。
特別なものを使わなくてもなんとか作れる、と言いたかった。
がしかし、手製本という特殊な作業を教えるには、普通は、プレスとか断裁機とかの大道具を揃えなければならない。
それをしないで、上のような考えでやっちゃってきた(工業じゃなくて手芸にしたかったのかもしれない)。
「大学」しかも「美術大学」っていう専門性の強いところで、どうしてそんなトチ狂った態度に出るのか、本当に私は困ったものです。
まあ、それが、私らしい態度なのですけど。
そして、この「私らしさ」の淵源は?と思うと
東急ハンズがオープンしたのが、美大に入学した年だった(か、ともかくそのあたり)っていうこと。
「DIY」というような環境で、その後を育ってしまって、こういう作り方が生まれてしまった。DIY、Do it yourself、って、さまざまな便利道具を与えられて、なんだか自分で作ったような気になる、という時代だったような気がします。
もろにその流れの中を生きてきてしまいましたね。
そういう「DIY」的道具で、伝統的な手工業(あるいは工芸)の手製本に相対するとどうなるか。
その一つの結論ではあると思います、写真のような道具類。
今年の眼目は、先週も書いた、木の棒と粘着テープ類。
そして、私が求めてるのはなにより「快適で正確な作業」。
その気持ちにストレスを与えないように、最初に書いた「なんでもつかえるよ」を改めて、道具類をかなり一生懸命見直しました。
両面テープなら
ニチバンナイスタック一般タイプ10ミリ幅
マステなら
3Mのオレンジ色のやつ(建築塗装用)12ミリ幅
を、推し、としてやります。
ずっと悩ましかった「刷毛」も、ダイソーの平ハケ3センチ幅ナイロン、というのにたどり着いたので、糊ボンド使いを指導するときの不快さからはかなり脱出できるのではと期待しています。
などなど。
また、自分でやった感がでる、竹ヘラ削りはやります。
やった感出る、なんて卑下して書きましたが、道具を自分でコントロールする基本を感じることができるはず、と思ってます。うまく削れていたら、気持ちよく折ったり裂いたりできるし、そうでなければ全然うまくいかないですから。
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