先日の連休、ひさびさのテント泊の山行をしました。
北海道のどまんなか大雪山系の旭岳。
大学で山をやっていた娘と、それを育てた山好きの妻に連れて行ってもらった私と息子という体。息子はさておき、自分は学生の時はワンダーフォーゲル部だったのに、頭はほぼからっぽな状態で歩いて、こんなふうに山に行くのは非常によろしくない、と反省でした。
が、まあ、良かったところといえば、なんの心配もせず、ただ歩いて、見て、感じる、というのに集中できたことでしょうか。
ロープウェイ駅で降りると、0.2度。それはわかっていたので驚きはしなかったが、30度の東京から飛行機でピュっ!とくると、ホテルで一夜過ごした後でも「どこでもドア」感がとても強かったです。
歩き出すと、左手の地獄谷ではいくつも噴気があがっていて、ワクワク。
しかし、すぐに風が強くなり、ひさびさのこの環境にかなり意欲を削がれました。寒い時の風は本当にこたえます。ロープや岩に樹氷というか霧氷というか、が数センチも伸びていて、うわぁ、大丈夫かな、という感じ(10年くらい前、秋田駒で冷たい強風で、すぐに下山したのを思い出しました)。
しばらく行くと、尾根と谷の微妙な角度の変化で風の影に入ったのか、いい感じ。ほっとしました。
ここ大雪山系の最新の噴火は5~600年前。ということは室町時代頃?
御鉢平というこの広々したカルデラでは1958年と1961年に火山ガスによる死亡事故があったそうです。地図上の「有毒温泉」という地名は、それによって付いた名なのかな、と思いました。検索して驚いたのが、硫化水素は薄い時はたまごの匂いがするが、濃くなると無臭、とのこと。だから気づかず死に至ったのかな、と思いました。
土の色がずいぶんバリエーションがあって、面白かった。それぞれの由来が地球のどの成分がどんなふうになってこうなったのかな、と思うとすごく味わい深い。火山ってまさに地球が動いてるのが実感できる場所だな、と思い、感動しました。
そして、植生の変化も、高低差だけでなく、土との相性もあるんでしょう。さまざまな条件でこの景色できていて、それを実に美しいと感じる感覚は、自分も地球の子だからだろうな、なーんていうことばを思いついて、嬉しくなっていました。日本列島に生きててよかったな、と思う。
高山帯のナナカマドやイネ科の草紅葉も良かったが、
こういうクロマメノキ(すごい量の実もついてます)とか、
ウラシマツツジ(このはっぱ)などが特に美しかった。赤い実はコケモモ。
シラタマノキはルートビアみたいな香りと甘味があっていい感じなのだが、クロマメノキより少し標高が低いところに生えてる。あるいは土の違いなのかも知れない。しっかり緑の葉をしているが、これもこれから紅葉するのだろうか。
下山後は、旭岳温泉に泊まりました。
やはり山好きの義理の兄から、泉質がとてもよい、と、薦められていた湧駒荘。幾つもの源泉からの湯があって、高過ぎないの湯温で、何時間でも入っていられる理想の温泉!
非常に良かったです。
効能には興味があまり無いですが、含有成分がいろいろというところはとても魅かれます。正苦味泉はマグネシウムと硫化イオン、芒硝泉はナトリウムと硫化イオンか、など、まだただ名を知っただけですけど、体で地球を感じてる感が盛り上がって嬉しい。
地球ってどこを見ても面白いけれど、むき出しでわかりやすい場所だと、特に感動しますね。
そして、知識を深めていくと、より深く味わえるようになると素直に思いました(まずは本を読むということですね)。
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