2024年11月 1日|ブログ|個別ページ| コメント(0)
一昨日から、3日連続の実習授業で尾道市立大に来ています。それでブログのことをすっかり忘れました。
木曜夜アップ、今回は、完全遅刻。
というわけで、最終日の実習前にブログを書いています。
1日目はは2年生への実習で、3時限使って、角背のハードカバーを作るもの。
事前に、本文紙、表紙芯用のボール紙、表紙用紙、などなどを学生に渡して、動画を見て、仕上げ断ちしておいてもらいました。
授業では「組み立てるだけ」ということを目論んだわけです。
が、私がサイズを少し間違えていたことが、実習始まったところで判明。ボール紙などを3ミリ小さく切り揃える必要が生じてしまいました。
そのせいもあり授業時間が15分ほど伸びてしまいました。毎回時間が伸びがちなので、今年こそは!と思っていたのですが、残念。
でも、実のところ、こういった製本を仕上げてもらう実習では、その時の学生たちの技量(?)次第であり、完全にはコントロールはできないんです。最近、そう思い切った結果、あとは動画見てやってね、とできるように動画を作っています。そういう時代が来てうれしいです。
無責任とも言えるし、なんといっても自分の負担が増えてしまって、普通に考えるとよいことではないかもしれないのですが、でもやっぱりこれもあり、と納得しています。
動画で自分の技術をとりあえず全て説明してみたい、という目標もあるので。
ずいぶん前に、カルチャーセンターで教えたことがあったのですが、そこでは作品を仕上げて持ち帰っていただく、というのが必須です。できあがらないという恐怖を避けようとして準備をすればするほど自分の負担が増え、その分受講者のみなさんの体験が薄くなる、という悪循環を感じて、早々にやめました。私に向いてなかったです。
その点、学生に教えるのは観点が違います。経験の無い大学生への実習の場合は、糊を塗ると紙が伸びちゃうとか、それを貼ったらみるみる反ってしまうとか、そういうのを体験してもらえれば十分で、ちゃんときれいにできる、ということは二の次と最近はますます思うようになりました。
さて、2日目、3日目は、院生への実習。
内容は、
学生のリクエストで「合紙絵本」。自分がやらせてみたくて「本かがりの丸背ハードカバー」。
どちらも初のこころみです。
「合紙絵本」は専用のマシンを持っている製本会社にお願いしないと普通できないです。また「本かがり丸背ハードカバー」はいわゆる本らしい本。手作りするには、かがり台とかプレスとか断裁機などなど、専用の道具(機械)が必要です。それらを使わずに、身近にあるものを道具化してなんとか可能にするというのが、私の昔からの趣味ですね(下はボール紙を使った、かがり枠)。
さて、どこまで作れるかな?
それはそうと、尾道に年1で来だしてから、多分10年以上経ちます。
実習の空き時間にいろんなところに行ったり、どこに泊まるのかも楽しみです。
一昨年からは、Airbnbでみつけた、いろは荘が気に入っています。昔の学生の下宿をリノベートした宿で昭和気分。
今回は、そこと駅から見上げたいちばん高いところにある、ビューホテルセイザンにしました。ここは値段とエリアで決めたのですが、窓からの眺めがとても良く、驚きです。
窓外の絶壁、真下の林で、朝からヒヨドリがたくさん鳴いて、東京ではうるさい鳴き声が、さわやかな朝の鳥の鳴き交わしに思えるのが面白く、口元がほころんでしまいました。飛び交う鳥の背中を眺める、というのがなかなかない体験でした。
千光寺ロープウェイにも初乗りし、尾道市立美術館で小林和作展を見て、ゆっくりしました。そして、今これを書いているのは、みはらし亭というやはり古い家屋を利用したカフェ。今朝から雨になったんですが、登り降りするロープウェイと岡山方面に向かう線路の列車が見えて、すごくゆったりできます。
美術館での尾道紹介に「ジオラマ」ということばが使われていたのですが、まさにそんな感じ。
この地の風景に惚れ込んだ、小林和作さんの絵も非常に美しく、風景に嵌る、数日になりました。
明日はちょうど旧小林和作邸の公開もある事を知ったので、それを見て帰京しようと思います。
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