2024年12月12日|ブログ|個別ページ| コメント(0)
流されるままに、頼まれるままに、いろいろな製本をしてきたけれども、最近もポツポツと、いくつかそういうのが進行中です。
製本は普通は、折丁があって、糸で綴じて、というところから始まるのですが、私に製本を頼んでくる人は、そうではないものを頼んでくることが多く、強いイメージや特殊な要望を持っているので、毎回いろいろと考えねばならないです。それが楽しいです。
今回の試作。
こんなふうにかがり台(自作)で糸綴じするのは、まあ、手製本としては、わりと普通に見えますね。
線装(いわゆる「和本」の糸の綴じ)に見える表紙のする、というのが注文主の希望なのですが、どうかな〜と思いつつも、やってみると意外に違和感がなく、悪くないフェイク感です。
本の綴じの機能としてはこれ↓で足りてますが、見た目が普通(手製本においては、です)で、あんまり面白くないです(同じ試作の逆側の表紙をこの形にして、比較してみました)。
もともとは、下の右側のタイプ(『もっと自由に!手で作る本と箱』(文化出版局、2008年、21ページ)。これは、この本のために考えたアイデアでしたが、注文の仕事で使ったことは、ほぼ無かったです。
一見普通の中綴じですが、折丁が一枚ものの厚紙2枚をテープ状のものでつないで作るのが眼目です。この元の作例はリボンというかテープ状の綴じ緒。そこを紐に変えました。試作を作ってみると、うまく行かないところがでてきて、それを修正すると、またダメなところがでてきて、というのを繰り返して、やっとなんとかなりそうな感じになってきて、それが前記の写真です。
技法書用にアイデアを思いついた時は、けっこういいと思ったのですが、所詮思いつきの段階をあまり出てないということがよくわかりました。生なアイデアのそのままを技法書に載せちゃったなぁと思う一方、十数年たって実際に使ってみる機会がおとずれて、嬉しいです。
また、今年は、大学の実習で、糊を使わず、両面テープだけで作る製本をやったりしたのですが、その過程で、剥離紙というのがあるのを知って使いました。この例ではそれも役立ったので良かったです。
そのうちもっと詳しく書いたりできると思うので、待っていてくださいね。
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