2013/表紙の意匠と制作
楽譜はさみ。
2013年の「かげびょうし」展の時に作ったもの。
このかげびょうしのシリーズは音を遮らない楽譜はさみ。異質なものをあわせて作ることになった。素材的はアルミパンチング板と革。表裏で別種の革を使って、表はメスで手切り、裏はレーザーカッター。表は植物の具象柄で、裏は幾何学模様の円。パンチング板の細かい穴から、逆の面の柄が透けて、半ば偶然でもある形のかげ、が現れる。
こういうふうにしてでてくる触覚的効果や視覚的効果があるのだけれど、それは現物でないと本当にわからなくて、いくら写真が良く撮れていても伝えられない。しょうがないから、伝えられないんだよ、っていうことを伝えるしかない。
実は、このかげびょうしシリーズは12月の展覧会用にばたばたと作ったので、秋の花が多い。よく言えば、旬のものを使った感じ。金木犀は、花を一つ一つスケッチするとかわいらしい。その小さな十字の花を随分拡大して表現してみた。柔らかいカーフ革の落ち着いた黄色も少しだけ金木犀のイメージ。