2015/表紙の意匠と制作
198×300×8㎜(開いた状態)
アルミアクリルノートホルダー。
「バリ島」の作品と、同じイネ科の草の押葉を使ったもの。
同じく、茎を「道」と見立ててみたところで、細かく枝分かれはしているけれども、元をたどっていけば、一本の茎、そして一本の根に繋がって行くんだな〜と、妙に、そして、はっと、気づいた。そこで「すべての道はローマに続く」を思い出した。
他に入れている要素は、紺色の和紙と、グラシン紙をちぎったもの。グラシン紙を表にも裏にも入れていて、重なった時の色と破れたエッジの雰囲気が楽しいので使った。背には蛇革を持ってきた。
重なり、透け感、膜、は、障子とか山で見る紅葉とかに繋がっていて、私の表現でよくでてきてしまう要素。単純な平面世界ではなく、平面の中にある奥行きに気持ちが向いてしまう。
製本の見習いの時にジャン・グロリエの本の装飾の、模写をさせてもらった。組紐と、イタリアルネサンスのイスラム世界起源の模様の組み合わせ。それらは、組紐の重なりなどによって、奥と手前が明快に説明してあって、平面を奥行きのあるものとしてデザインすることになっている。
私はこの考えに、かなり、ほーっ!って思った感じがあって、そうとう毒されているかもしれない。この奥行き感と、(どちらかというと忌み嫌っている)線遠近法との関係はどんなものなんだろう。
(2016.07.04記)